● 1953年 キュナードライン雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪GETTING THERE IS HALF THE FUN ! ,GO CUNARD≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1953
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1953年 キュナードライン雑誌広告
1950年代、キュナードは「GETTING THERE IS HALF THE FUN !」のキャッチコピーを多用、特に雑誌広告が数多く打たれましたが、「GETTING THERE IS HALF THE FUN !」のタイトルで30分超のプロモ映画まで制作しています。その雑誌広告の中で、客観的に見て最もアーティスティックなものが1953年に打たれた本雑誌広告です。夜の海を行くのはキュナードの客船クイーンエリザベス、舷窓の明かりとトップデッキでライトアップされているキュナードレッドのファンネル、夜空の星はひとつひとつが大きく描かれすぎてリアリティはありませんが、アドバタイジングアートとしての出来は実に秀逸です。イラストだけを取り上げれば、フルサイズの大判ポスターとしてリリースされなかったのが不思議なほどに感じられます。尤も・・・マスメディアの発達で、フルサイズポスターよりも雑誌広告の方がアドバタイジング効果が高かったことは自明の理ですが・・・。中央のキャプションは凡庸な内容で、「夜の船内のダンスパーティや社交、日常の雑事から開放されて健康的にリラックスできる船上生活、キュナードの船でのヨーロッパへの旅は幸せをもたらします」といった主旨で記されています。「GETTING THERE IS HALF THE FUN !」は、中高等学校英語だけではなかなか歯が立ちませんが米語では慣用される言い回しで、目的地に着くことだけが旅の楽しさではないといった程度の意で、旅はその途中が楽しみなのだということを言っています。海運史を紐解くと、1940年代にロッキード・コンステレーション、ダグラスDC-6、ボーイング・ストラトクルーザーが相次いで大西洋横断航空路に就航、船会社は手荷物を制限されて狭い座席の我慢を強いられる旅客機が、少なくとも大西洋航路で客船の乗客を大きく奪うことは無いとタカを括っていた・・・と解説、つまり旅客機に対する対抗心を露わにすることはなく、1958年に大西洋横断の客船・旅客機の乗客数が逆転して初めて慌てたと振り返ります。否、少なくともキュナードはこの「GETTING THERE IS HALF THE FUN !」で、すでに1950年代初めには真正面からアンサーを発しています。船上の楽しい旅こそが幸せをもたらしてくれる、と。
調べる限り1953年の本広告は「GETTING THERE IS HALF THE FUN !」のキャッチコピーが使用された最も早い時期のものとなります。最も盛んにこのキャッチコピーを使った広告が打たれたのは、旅客機の活躍がどんどん盛んになって行く1950年代後半です。その頃になると、幾分「あせり」も見られ、不自然な程に船内イベントをアピールする絵柄が多く、良くも悪くも客船らしい優雅さが幾分欠けるようになります。そういった意味では1950年代前半のキュナードの広告は伝統や優雅さが感じられる充実した質の高さが見られます
・ 雑感
残念ながら本作イラストの作者は不明です。雑誌広告にありがちな、ある種の野暮ったさが感じられない上品さはキュナードのプライドの表れかもしれません。1950年頃、キュナード・クイーンズの人気は絶大でツーリストクラスへの乗船は一年待ちも珍しくないほどでした。徐々に航空機に乗客を奪われていたといはいえ、少なくとも1950年代を通じキュナード・クイーンズの営業成績は充分な黒字、確かにまだ、旅客機と客船は共存するものだと考えていたのかもしれません(T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】