● 1923年 箱根丸 日本郵船のポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪FORTNIGHTLY FROM LONDON MARSEILLES & NAPLES TO CEYLON STRAITS CHINA & JAPAN, NIPPON YUSEN KAISYA≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1923
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1923年 箱根丸 日本郵船のポスター
日本郵船が英国船以外で唯一、欧州極東往航同盟に加盟して獲得したロンドン港への入港と積荷(下ろし)の特権は国家的な大成果でした。海上の航路は鉄道とは違い目には見えませんが、定期船運航の航路権はいわば専用の高速道路のようなものでした。1896年に5500トンの土佐丸で始まった日本郵船の欧州線は日露戦争を経て1908年には8500トン級の賀茂丸級6隻、、1913年に10000トン香取丸級の香取丸と鹿島丸、翌1914年には11000トンの諏訪丸級、諏訪丸、八坂丸、伏見丸へとスケールアップされることになります。第一次大戦によって欧州航路の運航は中断することになりますが、旧賀茂丸級二隻、諏訪丸級の八坂丸を大戦で失い、新たに10000トンの箱根丸級4隻を補充、日本郵船の船質は香取丸級以降の1万トン超級貨客船で欧州勢に肩を並べるに至りました。
本作は、1908年に制作された旭日を背景にしたポスターがモチーフになっているのは明らかで、描かれているのは箱根丸級H型貨客船(箱根丸、榛名丸、筥崎丸、白山丸)のネームシップ箱根丸です。デザインと印刷はロンドンのDAVID ALLEN & SONS社で、1939年頃には会社が解散していますが当時の広告やポスターデザインへの評価は高く、英国国立科学産業博物館のサイエンス・ミュージアムにDAVID ALLEN & SONS Collectionとして当時の作品が所蔵されています。制作された年代が確かではなく、概ね1930年頃とされるクレジットを多く見かけますが、1930年には新造船の靖国丸と照国丸が欧州航路に登場することになるので1920年代の後半であることは考えにくく、論理的には第一次大戦が終わり代替え船が揃ったタイミングで制作・使用されたと考えるのが妥当、4隻目の白山丸が1923年に欧州航路へ投入されたことから、概ね1923年頃のポスターであると特定しました。日本郵船のポスターの中でも大変有名なものですが、コピーを見て一目瞭然、日本国内ではなく欧州で使用されたものなので、残念ながら日本国内に現存するものは殆どありません。(横浜みなと博物館には所蔵されています)
・ 雑感
英国の外航航路の港といえばリバプールやサウザンプトンが頭に浮かびますが、かつての主要港は何と言ってもロンドンでした。現代の国際空港でもLLCの航空会社がなかなか乗り入れることができないのと同様、ロンドンへの入港・航路権を得ることは難しい事だったと伝わります。教科書通りに解釈すれば、これは日本郵船の先達たちがインド航路で地道にまじめな努力を重ねた結果だと言われていますが(日本経済新聞社刊 「海の昭和史」に詳しい)、そのロンドン港入港権獲得の歴史的偉業を今日に伝えるポスターです (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】