● 1929年 ロイス・ガイッグ 客船ブレーメン・ブローシャーカバーレプリカ 額入りジクレーアート
≪NORDDEUTSCHER LLOYD BREMEN, SCHNELLDAMPFER BREMEN≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :Lois Gaigg
製作年 :1929
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1929年 ロイス・ガイッグ 客船ブレーメン・ブローシャーカバー
第一次大戦の戦禍が癒えて大西洋航路船社が船腹更新に手を付けたのは1920年代後半のこと、各社の思惑や事情に違いがあったものの目指す新船の要目は似通ったものとなります。大西洋を5日間で横断する巡航速度、採算性から逆算して大きさは概ね5万トン以上で全長1000フィート、即ち28.5ノットの巡航速度を持つ5万トン超の客船であり、一般にスーパーライナーと称されます。戦後、やがて航空機時代が到来するため、振り返れば1930年代が客船黄金時代の終焉期であると同時に爛熟を極めた時代といえました。スーパーライナーは史上11隻のみが存在しましたが、この新時代の第一号となったのが1929年就役、北ドイツロイドの客船ブレーメンでした。
ロイス・ガイッグ(Lois Gaigg、オーストリア、1903-1944)によって描かれた本作は、1932年に北ドイツロイドが図柄を流用して作者サインを加筆、下部コピーを変更したポスターを米国で制作しますが、下部にバウハウスを彷彿させるタイポグラフィーの「BREMEN」の船名が描かれる本作自体がポスターなのか否かが2000年代後半まで謎でした。この「BREMEN」の文字入りのポスターの現存が確認できなかった理由は単純で、そもそもポスターではなくブローシャー表紙のイラストであったことが知られるようになったのは2000年代後半になってからのことです。近年の最新の研究考察によればロイス・ガイッグは、ウィーン工芸学校出身のアールデコポスター画家のビッグネームにして後に米国で教鞭も取ったジョセフ・ ビンダーと協力して本作を描き、とあるデザインコンペで一席を獲得したとされます。ウィーン工芸学校は、バウハウス以前に欧州で唯一のデザイン工芸職業訓練の教育機関として知られ、ロイス・ガイッグもここでデザインを学び、卒業生の多くがバウハウスへ進んだことでも知られます。大胆なデフォルメとタイポグラフィを見れば構成主義とアールデコの要素は明白、混然一体となったモダンデザイン成立の胎動が見られ、さらに考察が進めば将来、あのカッサンドルの描いた船の絵と同等の評価を得てもおかしくないものと考えられます。
「SCHNELLDAMPFER」は高速蒸気船の意、ランニングメイトの準姉妹船オイローパと先輩格のコロンバスが一緒に描かれ、北ドイツロイドの欧州・ニューヨーク急行線が存分に表現されていますが、下部のコピーはあくまで「SCHNELLDAMPFER BREMEN」と客船ブレーメンをタイトルにしています。ブローシャーは平綴じ全36頁、45枚の写真で客船ブレーメンの船内を紹介する充実したものでした
・ 雑感
ムック体裁ながら内容が充実しており、弊社においても永年重要な参考書として手許においている平成12年刊行、ワールドフォトプレス社の「栄光のオーシャンライナー」においても、北ドイツロイドの項P86にて参考挿絵として本作を「ポスター」として紹介しています。アートオークションがインターネット対応になる以前のこと、ヴィンテージポスターの実物が豊富に確認できる以前は、調べごとをするには洋書の参考書に頼るか、コレクターのもとや収蔵博物館を訪れるしかなかった時代には無理のないことで、2000年代後半以降、情報が豊富になり様々な考察が進んだのは喜ばしいことです。客船ブレーメンと本作ブロシャー表紙、後に制作されたポスターの話は客船ポスター四方海話 巻拾壱に書きました。尚、当時定価2000円の「栄光のオーシャンライナー」、現在はプレミアがついて古書でも定価の倍近い価格となっていますが、機会を得て適価で入手できるならば一読されることをお勧めします(T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】