● 1935年 客船ノルマンディー・就航雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪COMING IN JUNE !, THE NORMANDIE, First arrivalin New York June 3, First sailing from New York June 7≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1935
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1935年 客船ノルマンディー・就航雑誌広告
伝説として語り継がれる名船ノルマンディー、就役を告知する1935年5月に打たれた米国向け雑誌広告です。かつては二束三文で入手できた戦前の雑誌広告ですが、量に限りがあるのは自明の理、年々「資源」量は減って現在ではすっかり価格も高騰しています。当然ながらデザインや広告内容に高い資料性が認められるものは希少性が高まる一方ですが、ノルマンディーの就航告知の本広告は史料的な価値が非常に高いものながら絶対量が多めで、比較的遅い時期まで入手が可能でした。(現在は流石に妥当な価格での入手は困難です)このことから、当時フレンチラインは相当大量かつ広範にこの雑誌広告を打ったものと考えられます。また、フレンチラインはノルマンディ―就役のため、前月には見開きの広告も打っており、もはや国家事業になっていたノルマンディーはフレンチラインの社運と国家の威信をを賭けた大事業だったことがわかります。
米国向けの広告なので、ル・アーブル出帆やサウザンプトン寄港には触れられておらず、キャプション文冒頭と最下部セーリングスケジュールに、来たる6月3日に初めてのニューヨーク到着予定であることが記されています。ノルマンディーは5月29日にル・アーブルを出帆、同日夜にサウザンプトンに寄港して再出港、大西洋横断速度計測点のビショップロック灯台とニューヨーク港入り口のアンプローズ灯台船間を4日と3時間2分で走破、イタリアの客船レックスが保持していた大西洋横断最速記録を更新してブルーリボンライナーの座を得ました。フレンチラインや船長以下操船スタッフにしてみれば、そのプレッシャーは相当のものだっと想像されます。5-6月のハイシーズンとはいえ、もし天候の悪化や機関の不調が発生して入港予告日に遅れれば・・・広告を大掛かりに打った分だけ大恥をかくことになります。しかし名船ノルマンディーの面目躍如、ノントラブルで大西洋航路を走破して、これもまた「当然のこと」とされていたブルーリボンを見事に獲得して見せました。ちなみに、下部のセーリングスケジュールには処女航海復航のニューヨーク出帆が6月7日である旨が記されていますが、ノルマンディーはこの復航・東航でもブルーリボンを獲得しました。処女航海でブルーリボンを獲得した客船は多くはなく、まして処女航海の西航、東航両方でブルーリボン獲得といえば他には1952年の史上最速の客船ユナイテッドステーツくらいしかありません。ノルマンディーが史上最高の名船であるという伝説は、こうした客観的な事実に裏打ちされています。
巷間、ノルマンディーの記事や著述に、カッサンドルが描いたあの有名なポスターとともに引用・紹介される機会が多い本作広告ですが、1935年当時を思えば、上部の水彩画にこそ時代を感じるものの、現代に通用してもおかしくないほどの非常に洗練されたアートディレクションがなされています。キャプションの最後に、「You must see this ship」と記され、乗船の誘いが続いていますが、6月3日にニューヨークに到着した後、本広告には告知されていませんが88番埠頭では50セントの有料船内見学が実施されました。この時の88番埠頭の長蛇の行列は多くの写真で見ることができます。ノルマンディー到着は正真正銘、1935年6月のニューヨークの大ニュースでした
・ 雑感
蛇足ながらニューヨークでの船内見学では密かにノルマンディーから何らかの記念品を持ち去る企てをした輩も多かったとか・・・特に狙われたのは灰皿だったといわれますが心配無用! ノルマンディーの船内の卓上用灰皿は記念品として乗船客によって全て持ち去られた後でした。大変だったのはフレンチラインのスタッフで、復航のための灰皿をニューヨーク中駆けずり回って買い集めたと伝わります。尾ヒレ尻ビレまで、ノルマンディーのニューヨーク到着は大騒ぎでした (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】