● 1932年 ギオルギー・ヘミング 日本郵船の客船ポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪around the world eastward and westward, with NYK line≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :Georgii Hemming
製作年 :1932
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1932年 ギオルギー・ヘミング 日本郵船 2221LL
1932年、日本郵船の客船事業全盛期に欧米で使用するために製作されたポスターです。作者はロシア系スェーデン人建築家のギオルギー・ヘミング、ピアニストであるフジ子・ヘミングの父親です。ギオルギー・ヘミングは妻となる大月投網子とベルリンで出会い一時日本に移住しており、その日本在住数年の間にこのポスターを描いたものと思われます。(ベルリン時代に描いた可能性あり。確認できません) ゲオルギー・ヘミングはその後単身スェーデンに帰国、ポスター作家として他に作品が残されおらず、また建築家としての足跡、その後の消息も不明です。この唯一ともいえるギオルギー・ヘミングのポスターは、一般的にはアールデコ様式と単純に言い切られますが、むしろロシア構成主義やバウハウスの影響を強く感じさせるものです。ドイツ・ベルリンに在住していたこと、ロシア系の出自であったこと、建築家であったことを勘案すれば尚更です。図案のクオリティーが高く、リトグラフのオリジナルは海外ヴィンテージ市場でも高く評価されます。
1930年代は客船黄金時代でした。第一次大戦中に客船建造が中断していたため、各国ともに1920年代後半は客船の船腹更新時期にあたり、太平洋航路にもカナディアンパシフィックとダラーラインの新船が投入されたため、サンフランシスコ線が主要航路の東洋汽船は安田財閥の後ろ盾を失ったことと重なり窮地に追い込まれました。政府と財界の仲介により東洋汽船が日本郵船に救済合併されると存続会社の日本郵船は、太平洋において日本郵船伝統のシアトル線に加え新たにサンフランシスコ線の経営を担うことになります。日本郵船は航路を引き継いだものの競争力の維持には新船建造が必要でした。この太平洋航路経営の再構築を機に、1929年から1930年にかけて日本郵船は、サンフランシスコ線に浅間丸、龍田丸、秩父丸の三隻、シアトル線には氷川丸、平安丸、日枝丸の三隻、欧州線に照国丸、靖国丸、南米線に平洋丸、合計9隻もの新船を就役させ、世界第三位の商船保有国であった日本のフラッグキャリア「NYK・日本郵船」の地位を不動のものとします。尚、この際、日本郵船に政府の援助があった由、単純な論述が目立ちますが、政府側から有事転用可能な客船建造の強い働き掛けはあったものの、当時7000万円を超える新船建造費は日本郵船の自社調達であり、政府の援助はあくまで遠洋航路補助法に基づく客船運航補助金でした。
日本は第二次大戦で商船の大半を失い、日本郵船の外洋航路客船運航も元に帰することはありませんでしたが、美人画ポスターから一歩踏み出しモダンなポスターを製作、フラッグキャリアたるNYL・日本郵船が欧米の船会社と肩を並べ旅客獲得に乗り出していた時代があったことを偲ばせるものです
・ 雑感
日本郵船に限らず、日本の客船ポスターは良くも悪くも日本的でした。それは、欧米の乗船客が日本に抱く興味や好奇心を巧みに利用した戦略でもあったでしょうが、このポスターで日本郵船は突然、欧米の船会社と同じ土俵で勝負する挙に出たように感じます。それは、浅間丸をはじめとする新船9隻に対する日本郵船の自信の表れだったのではないでしょうか。このポスターのことはゲオルギー・ヘミングやフジ子・ヘミング女史の事も含め客船ポスター四方海話 巻八に詳しく書いてみました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】