● 1925年 フレンチライン 客船パリのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪S.S. Paris, NEW YORK-HAVRE-PARIS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :Albert Sebille
製作年 :1925
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1921年 アルバート・セビル フレンチライン 客船パリのポスター
第一次大戦前夜、英独覇権争いの蚊帳の外にあったフランスにも国家主義の波は押し寄せ、郵便の自国船輸送政策による仏政府の後押しを得たフレンチラインは、北大西洋航路覇権争いの檜舞台に名乗りを上げることになります。仏政府が課した艦隊整備は1916年から5年ごとに一隻、1931年までに新たに四隻の客船を就役させる計画で、その第一船として就役したのが客船パリでした。後発のフレンチラインの航路運営方針は英独にないもので、英独の三等大量運搬主義の真逆、一等優遇主義でした。これは、文化の中心たるフランス流の洗練されたサービスで観光客を獲得する着想で、後に米国の移民法改正で三等船客全体が激減してからは、各国客船が逆にフレンチラインの営業方針を後追いすることになります。客船パリの極上のフランス料理と洗練されたサービスは狙い通り観光客の人気を呼び、フランスの客船パリへの乗船は米国人のあこがれとなりました。
フランス海軍の契約海洋画家としても活躍し、後にアールデコ的なポスター図案も描いたアルバート・セビルですが、本作では本来の伝統的水彩画家としての作風を如何なく発揮しています。1921年に制作された客船パリのポスターに比べ、本作はセビルの素晴らしい絵の出来はともかく、何故かコピーライトの部分は急造の印象を受けます。恐らく、別の目的で描かれた絵を(例えば船客向けのスーべニアで船のプロファイル画は良く配布されていました)ポスターに仕立てたものではないかと考えられます。「S.S. Paris」の船名部分は何の不自然さもありませんが、それ以外の赤い文字はまるでスタンプで押したような状態で透けています。通常、リトグラフでわざわざ下の絵が透けたような版は作らないので、この船名以外の赤い文字は後から重ねて刷ったものと思われます。船名下部には船の全長、総トン数、馬力が入れられ、いろいろな意味でどのような事情で制作され使用されたものか興味深いポスターです
・ 雑感
1912年就役の客船フランスの一定の成功はフレンチラインに自信をもたしました。すなわち英国船やドイツ船にないエスプリを提供する・・・一等至上主義はフランスの客船の特徴でした。その自信を確信に変えたのは、本船パリの成功でした。今日まで謳われ続けている豪華客船(ちなみに豪華客船は日本独特の言い回しで、QE2のために作られた造語です)なるジャンルを作り上げた客船の嚆矢は本船であるとされています。3等乗客でガッポリ稼ごうとしていた他国の船に対し、船旅というものを楽しいものと考えた先見性に感服です (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】