● 1931年 カッサンドル ドーバー・カレー連絡船コートダジュールのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪S.S. COTE D'AZUR, CALAIS-DOUVRES≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :A. M. Cassandre
製作年 :1931
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1931年 カッサンドル ドーバー・カレー連絡船コートダジュールのポスター
1931年制作、連名が実に豪華なフランスアールデコの巨匠、アドルフ・ムーロン・カッサンドルによるポスターです。主役のファンネルが描かれた船は1930年就航の英仏海峡連絡船、3047トンの客船コートダジュールです。社名が描かれた外枠、上部は客船コートダジュールの運航会社であるSAGA、左にフランス北部鉄道、右に英国サザンレイルウェイ、下部はレストラン運営としてあのオリエント急行のワゴン・リ社です。SAGAは、現在英仏海峡フェリーを一手に運営するピー・アンド・オー・フェリーに吸収合併されています。
フランスのパリ北駅から英国のロンドンビクトリア駅間は、当時の重要な交通主要路線で、その最短ルートはフランス側カレーと英国側ドーバーを海路で行き、英仏両国内を鉄道で行くものでした。カレーからパリ北駅の北部鉄道、ドーバーからロンドンビクトリア駅のサザンレイルウェイの両社が名を連ねながら、このポスターにロンドン・パリの駅名地名が出てこないのは不思議です。レストラン運営はワゴン・リ社、豪華列車を造ってパリからイスタンブールまでご存知、オリエントエクスプレスを走らせたことで知られ、ホテル運営やこの連絡船のように施設運営のサービスも提供していました。
客船設計の際に、客船の顔はファンネルであるという思想をもった設計者は少なからずいました。同じ考え方かどうかはわかりませんが、カッサンドルはオランダのスタテンダム、アメリカのリバイアサンの客船ポスターで、ファンネルのみを大きく描いたものを残しています。冷静に考えればそれは当然のことで、普通の人がどこの船社の船かと目を凝らすのはカッサンドルに限らずファンネルです。20世紀に入るころからボイラーと蒸気機関の進歩でファンネルが高温にさらされることがなくなり、船主達は自社船が遠目に一目でわかるようにファンネルに色を塗るようになりました。客船のシンボルを大胆に描いたカッサンドルのアイデアに脱帽です
・ 雑感
カッサンドルはこのポスターのように、絵の外側に縁を描くことを好み、別の英仏海峡連絡船(ALA)のポスターや北急行、プルマン・ワゴンリのポスターでも同じ手法を用いました。これは明らかにゴッホが描いたジャポニズム作品の影響だと思われます。ゴッホは、自ら相当の浮世絵コレクションを所蔵、模写めいた作品も描き、いわゆるジャポニズムの尖峰だったことが知られています。ジャポニズムの手法の特徴に中に、写実的遠近法をとらず直線と単純な曲線で描くことが挙げられますが、思えば、これはまさにカッサンドル流アールデコの流儀でもあり、カッサンドル作品の回りの縁はゴッホの影響であるにせよ、間接直接問わずカッサンドルとジャポニズムの関連は機会を得るなら調べるに値するテーマかと思います (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】