● 1935年 カッサンドル 客船ノルマンディのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪NEW YORK VIA LE HAVRE ET SOUTHAMPTON≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :A. M. Cassandre
製作年 :1935
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1935年 カッサンドル 客船ノルマンディのポスター NEW YORK版
カッサンドルのポスター、客船ノルマンディー「NEW YORK」版です。下部太字のメインコピーが「NORMANDIE」ではなく「NEW YORK」に差し替えられています。フレンチラインの旗艦ノルマンディーのアピールよりは、フレンチラインの大西洋横断航路、目的地「NEW YORK」を示した欧州向けポスターだったと考えられます。
フレンチラインが政府補助を得てナショナルフラッグキャリアーとなったのは第一次大戦直前の頃、大戦で船隊整備計画はつまづいたものの、英独船社が三等船客やスティアリッジ客で稼いでいたのに対し、今日でいうところの豪華客船路線を持ち出した見事な差別化は功を奏していました。しかし当時、船の大きさと速度にこそ人々の耳目が集まっており、フレンチラインのプレゼンスは、まだまだフランスのプライドを満たすに至っていませんでした。そこに登場したのが、史上最大にして最速の客船として建造された客船ノルマンディー、すでに就役前から大西洋横断記録更新=ブルーリボンの奪取は確実といわれ、期待に違わずノルマンディーはフランスに初めてのブルーリボンをもたらしたばかりでなく、ノルマンディーが浴びた絶賛はフランス人のプライドを大いに満足させることになります。
1935年から1939年まで、下部文字部が入れ替えられ7種類のポスターが制作されたカッサンドルのノルマンディーですが、この「NEW YORK」版には他の6種類とは全く違う特徴があります。別バージョンの説明でも書きましたが、本作復元で難しいのが右舷側陰のアンカーの見え具合です。個体差が多少あるものの、デジタル処理上で陰を明るくしてもアンカーがはっきりと見えるところまでは辿りつけません。画像処理でこれをやりすぎると、右舷側全体がムラになり台無し、結果として、薄っすらとアンカーらしきシルエットが見える程度までしか表現できません。ところが、この「NEW YORK」版では個体差や経年変化とは別次元で右舷側アンカーがはっきりと見えます。つまり、リトグラフ再版の刷り時点で、他の6種類とは全く違う「刷り」が成されているということになります。初版と考えられる「VOYAGE INAUGURAL」版や「SERVICE REGULIER」版とは印刷所のリーヴァン・ダネル社の社名の入り方が違い、単純に右下に社名のみゴシック体で入れられる時期が下ったものであることから、再版リトグラフであることは判りますが、他の3種の再版版でもこの右舷側アンカーははっきりとは見えません。カッサンドルが描いた原画が偲ばれる「刷り」と考えることもできる実に興味深いバージョンです。(通常、リトグラフで無かったものをあるようには表現できないわけで、カッサンドルの原画には右舷側アンカーがはっきりと描かれていたと考えるのが自然です)
・ 雑感
印刷所のリーヴァン・ダネル社の社名の入れ方が変化したことにより、刷られた年号も明記されなくなり、「NEW YORK」版も刷られたのが1935年なのか1936年なのか、それより後なのか判りません。原画に入れられた「A.M.CASSANDRE 35」はそのままにて再版され続けたため、本商品クレジットも1935年とせざるを得ません。ところで、1939年の春頃には「NEW YORK」版がアレンジされニューヨーク万博用に「EXPOSITION UNIVERSEELE」版が制作されました。推測ながら、フレンチラインは1937年のパリ万博でホテルシップを運営したり、万博集客には積極的だったので、1937年のパリ万博後に次の1939年ニューヨーク万博を見据えた営業展開を行ったのかもしれません。そうだとすれば、この「NEW YORK」版は1937年の冬か1938年に制作・使用されたと考えられます。ちなみに1939年の「EXPOSITION UNIVERSEELE」版では右舷側アンカーはやはりはっきりとは見えず、前記のとおり、7種類のうち右舷側アンカーがはっきり見えるのは本作「NEW YORK」版のみです。
尚、客船ノルマンディーのポスターについては客船ポスター四方海話 巻六に詳しく書きました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】