● 1993年 キュナードライン 客船クイーンエリザベス2のポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪QUEEN ELIZABETH 2, A TRADITION OF LUXURY AT SEA, CUNARD≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1993
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1993年 キュナードライン 客船クイーンエリザベス2のポスター
ジョンブラウン造船所734番船、キュナードラインのQE2・客船クイーンエリザベス2は1969年に誕生しました。エリザベス女王の押釦でシャンパンが船首で割られると、船はスリップウェイを滑り下りて進水、大型客船の昔ながらの進水もこれが最後となりました。史上三指に入る高速客船として誕生、オイルショックによる採算悪化以降は常に運航停止の危機に直面しながら大西洋定期客船航路を維持、永遠に記憶に残されるべき不屈の名船です。
1958年、大西洋横断の客船と航空機の旅客数は逆転しました。1960年代前半には、すでにキュナードは客船クイーンメリーとクイーンエリザベスの大西洋航路二隻体制を諦め、クルーズ兼用の80000トン級客船建造を計画、最終的には一隻の二週一航で定期航路の維持を図ります。しかし、このQ3計画(3隻目のクイーンの意)は1964年の株主総会で否決、刻一刻とクイーンズの退役が迫る中、Q3計画は破棄されて新たに70000トンクラス客船のQ4計画に変更されます。1969年に運航を開始したQ4改めQE2は、就役前の初期トラブルを解消して安定した航海能力を発揮、話題性に富み人気も上々でしたが、キュナードの経営を好転させるには至らず1971年、キュナードはロンドンリッツホテルのオーナー、不動産投資コングロマリットのトラファルガーハウスに買収されました。しかし、1971年からトラファルガーハウスが破綻する1995年まではキュナードの最苦境期でした。トラファルガーハウスのもとでホテル・リゾート事業、北欧クルーズ船事業、コンテナ船の運航と多角化に乗り出すものの、皮肉なことにその利益は、結局はオイルショックで採算性が悪化したQE2の赤字、すなわちQE2の運航維持のために全て費やされました。転機は1995年のトラファルガーハウス破綻と1998年に米資本カーニバルライン傘下に入ったことで訪れました。1995年以降は多角化した事業を縮小整理、98年以降は大西洋横断航海を軸にしたラグジュアリークルーズ客船事業に特化し、「伝統の大西洋横断航路運航会社」としてのブランドメーキングに成功しました。以後はご存知の通り、就役当時世界最大のQM2・クイーンメリー2を就役させ、2008年、すでに旗艦の座を明け渡していたQM2に後を託しQE2は退役しました。
1993年に製作されたこのポスターは、多角化の中でQE2運航継続が予断を許さない苦しい時期のものです。実際にトラファルガーハウス総帥のナイジェル・ブロークスはQE2の維持に否定的で、その発言は英国のテレビドキュメンタリーのインタビューなどにも残されています。同時に制作されたフィヨルド級クルーズ客船、クルーズ客船キュナード・プリンセス、同じくキュナード・カウンテスのポスターとともに使用されました。デザイナーは不明、この時期のみのトラファルガーハウスのマークが中央に小さく入れられています。ニューヨークの摩天楼を極端にデフォルメした印象的な一枚ですが、なかなか目にすることができない珍しいポスターです
・ 雑感
QE2のポスターは、長かった船歴から見れば余り制作されていません。キュナードラインの経営が苦しいこともあったのでしょうが、そもそも航空機に乗客を奪われて以来、ポスターを貼るべき場所が無くなってしまったからです。今でこそクルーズ客船のポスターが貼られる旅行代理店の店頭には、客船に代わって航空会社のポスターが所狭しと貼られ、グラフィックデザインをリードしてきた客船は、このリーダーシップもまた航空会社や自動車メーカー、電機メーカー等にその主役の座を譲りました。キュナード制作によるQE2の昔ながらの純広告ポスター(販売用のポスターではないもの)は80年代のスローンやオルセンの描いたものと90年代の本作品ほどしか伝わるものがありません (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】