● 1995年 ブリティッシュエアウェイズ コンコルド・客船クイーンエリザベス2のポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪BRITISH AIRWAYS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1995(撮影1987年)
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1995年 ブリティッシュエアウェイズ コンコルド・客船クイーンエリザベス2のポスター
英国のフラッグキャリアー客船クイーンエリザベス2、空軍アクロバットチームのレッドアローズ、ブリティッシュエアウェイのコンコルド・・・この写真は1987年4月29日に撮影されました。QE2・客船クイーンエリザベス2は、ブレマーハーフェンで4ケ月掛かりでディゼールエレクトリックへの機関換装を終えて初めての大西洋横断航海でした。この再就役のセレモニーとして実現したのがこの歴史的スリーショットです。この写真は、キュナードの船内販売用ポスターや印刷物、アクセサリーなどを一手に製造していたイングランド東岸ハルのマリンアート社(現在廃業)から大小2種のポストカード、ミドルサイズのミニポスターや写真プリントなど、ブリティッシュエアウェイからもポストカード、雑誌広告などに広く使用された後、1995年に本作、ブリティッシュエアウェイのポスターが製作されました。
コンコルドは1969年に初飛行成功、1976年から商業運航された最初で最後の超音速旅客機でした。ロンドン・ニューヨーク間は飛行機で約7時間を要しますが、コンコルドは通常の航空機が高度10000メートル前後を飛ぶのに対し、より空気抵抗の少ない18000メートル前後の高高度を3時間半で飛びました。しかし、4000メートルもの滑走路を要すること、航続距離が短いこと、料金が通常のファーストクラスより高かったことなどから商業的には失敗、ブリティッシュエアウェイとエールフランスの2社向けにわずか17機が生産されるに留まりました。2001年にシャルルドゴール空港で墜落事故を起こし2003年に全機が退役、「コンコルド」は失敗の例えにされることもありますが、後世から評価を得る世紀のプロジェクトでもありました。それは、失敗の要因の多くは技術的な問題よりも、むしろ政治的な問題だった考えられるからです。コンコルドは超音速旅客機開発競争の思惑の中、某大国の賛意が得られず妨害に近い抵抗を受けました。結局、生産機数が伸びずに初期の製造機を運用し続けざるをえなかったところに問題がありました。それなりの受注機数、おおよそ200機を超えることができれば(実際に発表当初の受注機数は100機を超えていました)、長距離派生型などの開発も望めたかもしれません。
キュナードラインは、乗船客の激減により1970年代には慢性的な経営危機に陥ります。まだ、客船クルーズの普及までは時を待たねばならず、事実上、大西洋横断航海の目的が観光クルーズになっていたにも関わらず「国家御用達の郵便輸送定期船」たるプライドが完全なるクルーズ客船への改革を邪魔しており、1971年には不動産コングロマリットのトラファルガーハウスの資本となりました。一方、キュナードも航空機時代の到来をただ指をくわえて見ていた訳ではなく、1962年には政府の仲介でBOACと合弁でBOAC-CUNARDを設立、永年の乗客サービスの実績を買われてのことでしたが1966年にはBOAC側の意向で事業を解散します。1971年には政府主導でBOAC(英国海外航空)とBEA(米国欧州航空)が合併、新たにBA(ブリティッシュエアウェイ)が設立されました。そしてコンコルドが登場します。
かつて合弁会社を設立した経緯もあり、何らかの強いパイプがあったのでしょう。コンコルド就役から9年後の1983年、キュナードラインがコンコルドをチャーターする形でQE2とコンコルドの共同運航が実現します。当時の広告を見ると「BRITISH ICON」の文字が踊ります。基本プランはサウザンプトンからニューヨークへQE2に乗船して6日で大西洋を横断、3日間のニューヨークステイ後、ニューヨークからロンドンへコンコルドへ搭乗し3時間半で戻るというものでした。この夢の競演プランは、QE2の改装や2001年墜落事故後の運航停止機関を除き、ほぼ20年間不定期ながら継続されました。このキュナードによる「Grand New York' package」は、コンコルドの退役によって2003年の6回の催行をもって終了します。
さて、本作の写真がいかなる経緯で撮影されたものかははっきりません。つまり撮影されたネガ、またはポジはBAのものかキュナードが保管しているものか(英国空軍ということはないでしょう)不明です。事の経緯からすれば、キュナードラインと考えるのが妥当ですが、当時のニュース映像などではコンコルドのコックピット内の様子が撮影されており、一体、キュナード、BA、英空軍、誰が主体となってこの写真が撮影されたのか判りません。尚、三者のさらに上空からの空撮であることはお判りのとおり、相当な高度から撮影された写真は、白のハーレーション、レッドアローズの赤はブレでにじみ、写真自体の出来は良くありません。撮影条件が悪いので当然と言えます。本ポスターの制作にあたっても、例えば海面部分などにかなりの修正の痕跡が見られます。1990年代当時のオフセット写真製版技術では限界があったことでしょう。商品では、コントラストとハレーション、動きによるぶれのみ大掛かりに修正して近目の鑑賞にも堪えうるものとしました。大英帝国のプライドが輝きを放っているポスターです
・ 雑感
この歴史的写真の撮影時期を1985年と記録している資料やネット上の記事を数多く見かけますが、上記の通り、QE2が機関換装を終えた記念に企画された出来事なので1985年は間違いで1987年です。ネット時代のネガティブな面で、悪意の有無は別として一度の間違いが延々と連鎖することがあります。さて、上記でネガ・ポジの所在に言及したのは、もし現代のコンピュータの写真修正技術をもってすれば、もっと良いものが作れると実感するからです。ネガ・ポジからの写真製版では、合成写真にしない限り、特に暗部潰れとハレーションの修正に限界があります。一方、それはそれで時代を写したものと考えるのも一考かと・・・しかしながら、この瞬間は当たり前ながら再現できるものではなく、魅入らずにはおられません。歴史的なポスターながら、年代的に大昔でないにも関わらずオリジナルの現存数は僅少です (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】