● 1916年 東洋汽船のポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪TOYO KISEN KAISHA, ORIENTAL STEAM-SHIP COMPANY≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1916
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1916年 東洋汽船のポスター
稀代の実業家、浅野総一郎は1896年、安田財閥・安田善次郎のバックアップを得て東洋汽船を設立、米国に渡った浅野はPM・パシフィックメール、O&Oラインと3社での太平洋航路共同運航の契約をとり付け、その足で英国に渡り日本丸級客船3隻を発注して帰国、東洋汽船は一躍太平洋の花形航路であるサンフランシスコ航路へ参入しました。やがて、優雅なバウスプリットを持つ日本丸級の競争力が低下すると、日露戦争の大勢が決した1905年、浅野は日本初の一万トン級、20ノットの高速大型客船の建造を決断します。重油炊きボイラーに蒸気タービン、特に蒸気タービンは英国のキュナードがルシタニアに採用したばかりの最新鋭の主機関であり、20ノットの速力は太平洋においては戦後の客船の性能にも劣らぬほどのものでした。これが1908年に就役した天洋丸級客船、天洋丸(1908年)、地洋丸(1908年)、春洋丸(1911年)の三隻です。大西洋の新鋭船をそのままスケールダウンしたような船容は当時の日本の大衆の度肝を抜いたと伝わります。この3隻の客船建造がいかに破天荒なものだったかといえば、発注先の三菱長崎造船所が「せめて重油を止めるか、船容を小さくすべし」と意見具申した程でした。第一次大戦前後には、この三隻による収益は最高潮に達しましたが、急速な技術の進歩は東洋汽船の独走を許さず、1920年代に入ると運航航路が少ない東洋汽船の経営は急速に悪化、強力な後援者である安田善次郎が暗殺されると浅野の夢も潰え、サンフランシスコ航路の航路権もろとも客船事業を分離して日本郵船に譲渡合併(事実上の救済合併)、彗星のごとく光り輝いた東洋汽船は消えてゆきました。1926年、天洋丸、春洋丸(地洋丸は1916年に座礁沈没)は日本郵船に移籍、天洋丸は1933年、春洋丸は1936年にて浅間丸級にバトンを渡し退役、解体されました
1917年(大正6年)のカレンダー入りポスター、英語版・日本語版のうち英語版です。制作は前年の1916年、オリジナルはリトグラフで東京三間印刷所製です。築地の東京三間印刷所は三越の美人画ポスターで一世を風靡、ポスター製作方としては日本トップクラスの印刷所でした。扇に日の丸は東洋汽船の社章で、金彩を使用した華やかさからは浅野総一郎の意地が感じられます。このポスターが使用された1917年は東洋汽船がちょうど絶頂期を迎え終えた頃で、東洋汽船最後の光芒を見ることができます。扇の日の丸の中に描かれている客船は天洋丸です
・ 雑感
浅野総一郎の東洋汽船は、日本海運史的に見れば反三菱が設立の機運となったと考えるのが自然でしょう。血で血を洗うような激しい郵船三菱と反三菱連合・共同運輸の戦い。共同運輸の設立に浅野は直接参加はしませんでしたが、その設立発起に関わったとも伝わっています。また、東洋汽船の前身たる浅野回漕店が設立されたのは郵船三菱と共同運輸が政府仲介で合併して日本郵船が発足した翌年、浅野が直接三菱を敵視する理由は見当たらないものの、当時の日本の財界では、業種を問わず独占を許さぬ反骨精神が強かったように思われます。日本郵船は毎年、カレンダー入りポスターを制作、デザインといい雰囲気といい東洋汽船のポスターを見れば、やはり浅野総一郎の日本郵船への対抗心が感じられてなりません。あるいは、浅野の目はもっと遠くを見ていたかもしれませんが・・・ (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】