1936年里見宗次オリエントコール 3023LL

● 1936年里見宗次オリエントコールのポスター精密レプリカ額入りジクレーアート
　≪ORIENT CALLS, ORIENTAL TOURIST COFERENCE≫

額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください

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1936年里見宗次オリエントコール 3023LL
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価格:	12,400円 (税込)
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送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます

作者名　：里見宗次
製作年　：1936
額縁・マット　：　木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmｘ2枚ダブルマット、前面1.8ｍｍ厚UVカットアクリル（クラレ・コモグラス）
　　　　　　　　　　額縁とマット色をお選びいただけます
　　　　　　　　　　　・黒艶消し額縁Ｘブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
　　　　　　　　　　　・白ツヤ額縁Ｘネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ　：　410ｍｍ　ｘ　525ｍｍ
作品サイズ　：　272ｍｍ　ｘ　407ｍｍ　（内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm）

当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています

● 1936年里見宗次オリエントコールのポスター

アールデコ全盛期のパリで活躍した唯一の日本人デザイナー、里見宗次のポスターです。
「ORENTAL TOURIST CONFERNCE」がどのような集まり、あるいは組織だったものかは良くわかりません。同じ1936年に里見によってデザインされた鉄道省のポスター「JAPAN」が1937年のパリ万博に出展されて金賞を受賞しますが、1936年の帰朝時に描かれた数枚のポスターの内容やつながりから推測すると、当時の政府系・半官半民系の仕事であった可能性が高く、日本交通公社にまつわる仕事だったのではないかと思われます。描かれた図柄を見れば「八紘一宇」や「大東亜共栄圏」が一瞬頭をよぎりますが、日本がそのことを口にするのは1940年以降のことであり、本作はそのような内容を描いたものでもありません。本作に描かれる客船はカッサンドルが描いたノルマンディーのポスターのイメージそのもの（客船の絵の部分に限って言えば完全にカッサンドルのノルマンディーの引用です）であり、里見宗次のカッサンドルとの親交を示す点からも興味深いものです。機関車は鉄道省のC53、航空機は当時の日本航空輸送（1938年からは大日本航空）の使用機材を当たりましたが該当する飛行機はありませんでした。機首に客席が設けられた航空機そのものが該当するものがなく、計画中の機材だったかもしれません。インドから日本までの各民族の特徴がこけしにデフォルメしたように描かれつつ全体の図柄が散漫にならず奇妙な一体感を持つところは、里見宗次の商業画家としての能力の高さを示すところです。
1925年のパリ万博は、別名アールデコ万博と呼ばれ、アールデコは全盛期を迎えることになります。里見宗次が渡仏したのは1922年、絵画の道から商業デザイナーへ転身したのは1927年頃とされています。まさにアールデコ時代の大きな波の中で活躍した唯一の日本人でした。1928年から1933年頃にかけてパリのポスターコンペで度々第一席を獲得し、競い合ったカッサンドル等、パリで活躍したアーティストたちとの親交を持ったと言われます。

・雑感

里見宗次が生涯に手掛けたポスター作品は20000点近くにもなります。その手掛けた作品数からすれば、今日に伝わっているものは、ごくわずかに過ぎないことがわかります。戦後もパリに帰り、日本へ戻ったのは1989年のこと、1996年、奈良大和郡山で亡くなりました。91歳でした。アーティストとしての里見宗次は「Mune Satromi」であり、日本人という範疇には収まらない存在でした。晩年まで、その作風は変わることなく、まさに1930年代のアールデコを生涯、そのまま全うしました。日本では東京オリンピックや大阪万博を機にグラフィックデザインがひとつのステータスを確立してゆきますが、パリ在住のMune Satomiは淡々とパリのアールデコポスター商業作家の仕事を全うするのみで、日本のグラフィックデザイン界とは関りを持った形跡は殆ど認められません。本場風を吹かせて故国で大きな顔をしようとしなかった生き様に好感を持ちます。いつか、日本で知られていない膨大な里見作品を目にすることができるでしょうか・・・(T.O.)

【Maritime Gallery Ocean-Note】

● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX

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