● 1909年 P&Oのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪P&O PASSENGER SERVICES, LONDON - MARSEILLES - BRINDISI -CEYLON - INDIA - EGYPT -STRAITS - CHINA - JAPAN≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1909
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1909年 P&Oのポスター
貨客船モレアが描かれた1909年頃のP&O極東航路のポスターです。
北大西洋ニューヨーク航路の客船が大型化、高速化、4本ファンネルで耳目を集めていた1900年代、主にスエズ運河経由東行き航路を担う世界最大の船会社であるP&Oは、大英帝国の生命線たる伝統の東インド・極東航路を淡々と拡充していました。北大西洋航路が片道移民客の獲得競争という特殊性を持っていたとすれば、スエズ経由の東行き極東航路は航海距離が長い主貨客従という特殊性を持っていました。地球規模で見るならば、当時の主流は貨客船であり、むしろ北大西洋の急行線の方が特殊だったといえます。ある航路の船の大きさと出帆頻度は需要によって決まります。東行き極東航路は航海距離が長く、平均して2ケ月に1回のセーリングスケジュールを果たすには多くの船腹を必要としました。北大西洋では3隻で週航の時代に入りつつありましたが、航海距離の長い航路を維持する船会社では船腹数が増加し、P&Oは必然的に世界最大の船会社に成長していました。
P&O極東航路を担う新鋭船の船名がズラリと記さています。モルダビア(1903年就役、9505トン)、モンゴリア(1903年就役、9505トン)、マルモラ(1903年就役、10509トン)、マケドニア(1904年就役、10512トン)、ムールタン(1905年就役、9621トン)、マルワ(1908年就役、10882トン)、マントゥワ(1909年就役、10946トン)、モレア(1908年就役、10895トン)と8隻の貨客船がここでは頭文字をとったMクラスと記されています。寄港地の末尾には日本が記されていますが、大英帝国にとっての極東航路の国策上の重要寄港地はSTRAITS(シンガポール、ストレーツは海峡の意)と中国に他なりませんでした。最下部には、世界一周航路を確立したことを知らせるコピーも入れられ、何のエクスキューズもない横綱相撲の余裕すら感じさせる一枚です
・ 雑感
19世紀から第二次大戦までの客船ポスター全体を俯瞰すれば、寄港地として日本を取り上げたものの割合は決して多くはありません。(現存するものが少ないという考え方もあるかもしれません)丹念に発掘することによって、海運史はもとより世界史の中の動きや出来事の箇条書き的羅列とは別次元で、その事柄や現象の実際のボリューム感に触れることが出来る場合があります。こういったポスターに触れると、欧州から見た極東航路の重要性の一端に等身大で触れることが出来たように感じます(T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】