● 1929年 アルフレッド・クロッカー カナディアンパシフィックのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪TRAVEL BY THE ALL RED ROUTE, CANADIAN PACIFIC, STEAMSHIPS TRAINS HOTELS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :Alfred Crocker
製作年 :1929
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1929年 アルフレッド・クロッカー カナディアンパシフィックのポスター
往時の大英帝国が偲ばれる「ALL RED ROUTE」のポスターです。レッドルートとは伝統的に英国の海外領土を地図上で赤く塗ったことに由来するもので、20世紀初頭には英国の海外領土だけを結んで地球一周通信線網を通す計画を「ALL RED LINE」と呼んだことが良く知られ、交通路としての世界一周ルートは大英帝国領土の寄港地だけを結んだ航路及び陸路全体を「レッドルート」と呼びました。他国の拠点を通らずに世界一周ができた国は歴史上、大英帝国だけだったかもしれず、極論すれば英国人はパスポートを持たずに世界一周ができたことになります。
通信線のオールレッドラインとは違い、大英帝国政府が「オールレッドルート」を国家戦略とした事実はありません。オールレッドルートはCPL・カナディアン・パシフィックが営業戦略で使用したコピーでした。そもそも意外にも、大英帝国政府は、P&Oによるスエズ経由東回り極東航路には大いに助力しましたが、CPLの太平洋航路に関しては余り関心を寄せなかったと言われます。一方、簡単に東回りと言っても、荒れる上に暑いインド洋経由の航海は乗船客にとっては苦痛を伴うものであり、CPLが目をつけたのもそこでした。大西洋を渡り北米大陸を鉄道で横断して太平洋を横断して香港、この行程がP&Oの東回りと同等の日数ならば、やがて極東行きは西回りが主流になると考えます。そこで、英国人の愛国心とプライドに訴えて「大英帝国のオールレッドルート」と銘打って西回りルートを喧伝しました。(お気づきと思われますが、「オールレッドルート」は、本当は香港から先、P&O等が運航のライバルたる東回り航路をもって完成、P&Oやオリエントライン、他の英国船社が「オールレッドルート」と銘打った広報活動を行った形跡はありません) CPLが西回り香港行きを、P&Oの東回りと同等の行程36日間で開始したのは1903年のこと、その頃にはまだ「オールレッドルート」なるキャッチフレーズは使用していませんでした。
太平洋航路に描かれているのは、客船エンプレス・オブ・カナダと思われます。このポスターが使用された暫く後になると、太平洋航路史上最速を誇った二代目のエンプレス・オブ・ジャパンが就役しますが、そちらは就役当初から船体は白だったので、黒い船体塗装で当時の最新船であるエンプレス・オブ・カナダと判断できます。作者のアルフレッド・クロッカーはカナダの水彩風景画家です。商業ポスターは殆ど描いておらず、わずかに伝わるものも単に水彩の風景画を配置して上下にコピーライトのみといった按配で、本作は作者唯一と言っても良い純商業作品と言えます
・ 雑感
CPLにしたところで、後にも先にも「オールレッドルート」と銘打った広報活動を行っていたのは本作前後の一時期だけでした。個人的には、上記のとおり英国人の愛国心とプライドに訴求した素晴らしいアイデアだったと思います。ちなみに、やがて大英帝国政府も西回りの重要性に気づき、CPLに相応の政府補助を充てた伝わります。実際に香港に行った英政府の役人も、暑く苦しいインド洋越えよりも、涼しく大陸横断鉄道を楽しめる西回りには「オールレッドルート」を持ち出すまでもなく一定の価値を認めていました。戦後は航空機の出番、太平洋航路にCPLが戻ることはありませんでした (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】