● 1932年 H.J.B. カナディアン・パシフィックのポスター 精密レプリカ額入りジクレーアート
≪CANADIAN PACIFIC, GREAT ATLANTIC FLEET≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :H.J.B.
製作年 :1932
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1932年 H.J.B. カナディアン・パシフィックのポスター
CP・カナディアンパシフィックは英資本の北米大陸横断鉄道敷設運営会社として1881年に設立、1886年にケベックからバンクーバーまで4600km余りの鉄路を開通させました。英国にとってインドや香港との貿易とその交通路は重要で、伝統のP&O東回りルートに対して、西回りルートの確立は「オールレッドルート」の完成を意味し、CPグループへの期待は否が応にも高まりました。(赤は英国、すなわち大英帝国の領土・植民地のみを通り世界を一周できることを意味する) 1891年、CP船会社のCPLが太平洋航路を開設、1903年には大西洋航路に乗り出し、CPグループの船と列車を乗り継ぎ、一気通貫36日で香港まで行けるようになりました。暑いインド洋経由東回りルートに対し、涼しいカナダ経由西回りルートは人気を博しました。1920年代後半、CPLは西回りルートの競争力を高めるために、大西洋と太平洋に大型客船の同時投入を決断、1931年、サウサンプトン・ケベック線に42000トン、24ノットのエンプレス・オブ・ブリテンを就役させました。
今日でも客船黄金時代の檜舞台だったニューヨーク航路の話題は尽きませんが、英国・カナダ間は蒸気船の定期航路がニューヨーク航路よりも先に開設されています。独立戦争により離れていった米国よりも、大英帝国にとってカナダは今日の感覚で想像できないほど重要な植民地でした。ウェストミンスター憲章によってカナダが独立したのは、奇しくもエンプレス・オブ・ブリテンが就役した1931年のこと、同憲章によって連邦各国は同じ君主をいだく連邦国家の一員という位置づけになりましたが、これによって英国資本の投資先であるカナダの位置づけに変化があったわけではなく、交通史の視点からみれば連邦領土内カナダの重要性は何物にも代えがたいものでした。例えば、英国のサザン鉄道は外航船発着港としてのサウサンプトン港開発の事業主体者でしたが、サザン鉄道のサウザンプトンに関する広告・宣伝を並べて眺めると、意外にもキュナードの客船と同等かそれ以上の頻度でCPLの客船が取り上げられています。かつて北米大陸においては、独立していった米国を出し抜くことができる可能性を秘めた植民地として、大英帝国の潜在的「希望」の感情がカナダには寄せられていたと言われています。
本作の驚きは上記、歴史の澱のようになってしまった英加間急行線に何と18隻もの客船が就役していたことです。作者サインのH.J.B.なる人物の来歴は不明です。作風からすれば英国の水彩海洋画家であることは間違いないと思われ、ちょっとした客船関連の資料をめくったところで見ることはできない珍しいポスターでもあります。カナダの大学図書館に保存されており、商品もそのオリジナルを参照しています。
・ 雑感
歴史の澱ついでに・・・目立たぬ話ながら、両大戦で戦争当事国となってしまった大英帝国にとって、カナダの戦争協力は代えがたいものだったといわれます。米国はどんなに親英的だったとしても、戦争後は互いに算盤をはじいて債権債務を話し合う関係でしかありません。CPグループはカナダの象徴的国策企業でもありましたが、会社の持てるありとあらゆる資力を両大戦時に大英帝国に提供、つまり、我々が思う以上に大英帝国の一部でした。カナダの中部工業地帯では英軍の戦車や戦闘用車両を生産し、これをCPLの船に積み欧州、アフリカ戦線へ運んでいました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】