● 1937年 客船ノルマンディー雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪DEPENDABLE Speed, The NORMANDIE, REMARKABLE AVERAGE SPEEDS MAINTAINED IN SIX FALL AND WINTER ROUND-TRIPS, Grand Average 28.23Knots or 779.76 land miles per day≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1937
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1937年 客船ノルマンディー雑誌広告
1937年2月頃にフレンチラインよって打たれた客船ノルマンディーの大変ユニークな広告です。「5日」や「4日半」などと、大西洋をどれだけの時間で横断できるかを記すポスターや雑誌広告、あるいは形容的に「fast」とか「fastest」と速度を謳ったものは無数に存在しますが、まるで航海ログよろしく具体的に速度を明記した船会社による雑誌広告は後にも先にも本広告以外にお目に掛かることはできません。大衆目線で見れば、客観的かつ具体的に航海速度を示されれば説得力はあるように感じます。しかし実際には、例えばポルシェの広告、500馬力ですと書いたとしても300km/hのスピードで走れます・・・とは書きません。そこにはロジックを越える人間の本能的なスピードに対する恐れがあるのかもしれません。
この広告には1936年後半の晩秋から冬季の6航海の平均速度が記されています。定期航路客船の一航海は往復の行って来いで一航海と数えるので、ここでは6往復6航海の平均速度が記されていることになります。余程丁寧なことに、この6航海のトータルアベレージが28.23ノット、一日当たり779.76陸マイルの航海距離を記録したとあります。衒いなく淡々と客観的な航海速度を記した姿勢は確信めいた自信の現れだったかもしれません。ノルマンディーは就役した1935年は8往復で航海を打ち切って半年間ドック入渠します。高速客船に起こりがちな振動問題の解決のためでした。結局、スクリューの同調が悪く振動が発生することを突き止め、1936年の冬、つまりここに記された晩秋から冬季の航海を終えた後に再度入渠、3枚プロペラを4枚プロペラのスクリューに交換、併せて後部デッキを改装してウィンターガーデンを増設、この入渠で総トン数はクイーンメリーを抜き返し再び世界最大の座を取り戻すととともに振動問題も解決しました。1936年7月にはブルーリボンもクイーンメリーに譲っていましたが、4枚プロペラへの交換後のテストの成績は上々、この入渠を終えて1937年のシーズンを迎えますが、その自信が存分に顕れたものと見て取れます。ここに記された航海記録は3枚プロペラ時のもの、振動の問題でフルスロットルを控えた上での速度ということになるので・・・。
ここに記された自信の顕われに違わず広告が打たれた後、この年のノルマンディーは絶好調で、7月にはクイーンメリーからブルーリボンを奪回、8月東航では31.2ノットを記録して自己の記録を塗り替え、この航海時には出力19万6千馬力を記録、定格出力を2割も上回りました。つまり、本広告の自信の顕われは、そうなることが予め判っていたのだと考えられます。「DEPENDABLE Speed」 こうして振り返って考証してみれば、全く言行一致の爽快感を感じます
・ 雑感
本広告の「自信」は至極当然で、本広告が打たれる前の入渠では、ウィンターガーデンの増設や4枚プロペラへの交換と同時に機関の改良を行っていました。設計及び就役時の最高出力は定格16万5千馬力でしたが、ボイラーの圧力アップと蒸気タービンの改良を行っています。これによって定格最大出力は18万馬力にアップしていました。が、それは定格の話、実際には上記のとおり19万6千馬力を記録、ライバルであるクイーンメリーの20万馬力に迫るほどでした。印象に薄いものの、実はフランスの工業技術力は決して英国やドイツに劣るところはなく、凌駕さえしていたということの証左です (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】