● 1937年 リンカーン・ゼファーV12雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪LINCORN-ZEPHYR V12, TRAVEL THE MODERN WAY!≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1937
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1937年 リンカーン・ゼファーV12雑誌広告
ヘンリー・フォードの送り出したT型フォードは、偉大な「発明」ではあったものの、これのみに固執して改良し続けることがフォードの経営を危うくします。1922年、フォードはリンカーンを傘下に収めます。キャディラックの創業メンバーにして卓越したエンジニアであったリーランドは第一次大戦中、米軍に6500基もの航空機エンジンを納入しますが、この利益が仇となり、戦後に米当局によって行われた戦時利益課税に苦しみ、フォードへの身売りを余儀なくされました。ヘンリー・フォードは高級車への参入に消極的でリンカーンにも興味を示しませんでしたが、これを任された息子のエドセル・フォードはこれ幸いにリンカーンの新車開発に邁進します。エドセル・フォードのビジネスセンスは抜群で、欧州富裕層との交流や欧州各地で得た経験による美的審美眼も確かで、米国自動車産業のデザインにエドセル・フォードが果たした役割は計り知れなかったといわれます。1927年、ついに累計販売台数1500万台に及んだT型フォードは生産終了、その後、リンカーンこそがフォードの屋台骨を支えることになり、やがてGM傘下のキャディラックと、フォード傘下のリンカーンの自動車が、アメリカ繁栄の象徴のひとつになってゆくことになります。
T型フォードの大成功の最中、GMやクライスラーは現在でもメジャー自動車会社が採るフルラインナップ体制を整えて行きます。ヘンリー・フォードにはこの発想が乏しかったためラインナップの面では大きく後れを取り、T型フォード無き1930年頃のフォードのラインナップは大衆路線の3.6L・V8デラックスと高級車7LのリンカーンKしか存在せず、ディーラーが独立系である米市場ではディラーのフォード離れが進みました。必要なのが大衆向け高級車であることは明らかで、エドセル・フォードはここにリンカーンの新車種を開発して充てることとします。こうして生まれるのがリンカーン・ゼファーでした。ゼファーは、20世紀の幕開け以来、機関車や客船など産業デザインに盛んに取り入れられた流線形デザインを持ち、他社が何故か失敗し続けていた流線形自動車として初めて市民権を得た自動車でした。エンジンはサイドバルブ方式ながら4.3Lで何と12気筒、120HPを発生して時速は90マイル/hに達しました。最初の1936年モデルは2ドアクーペと4ドアセダン、両車の評判と販売は上々でフォードから離れていたディーラーは再びフォードの取り扱いを始めることになり、これを皮切りにリンカーンは高級車ブランドとしてゼファー製造終了後もリンカーンコンチネンタルを生み出し、GM、クライスラー、フォードのビッグ3体制が固まります。ゼファーの成功が無ければ、ビッグ3はビッグ2だったのかもしれません。
客船の「流線形」は、1929年に就役したドイツの客船ブレーメンが最初だったとされます。ここに描かれた客船ノルマンディーの起工は1930年、設計はそれ以前に成されているので、ノルマンディーはブレーメンを後追いしたのではなく、最初から流線形をもって設計されたということになります。この絵からはそこまで見取れませんが、ノルマンディーの船首は大きく絞られた形状を持ち、この絞られた船首から急激に後部と上部に向かう曲線でボリュームが増してゆく外観を持ちました。これはデザイン上の試みではなく、造波抵抗軽減のための流体力学から導き出された形状であり、この曲線は船首上部に向かって花が咲くようなフレアー型の形状を作り出しました。美しくフレアー状に広がった船首からデッキ上に移ると、船首からブリッジに向かうファンションプレートはなめらかな曲線で上がって行き、曲線で構成されたブリッジにつながって行きます。同時代に似通った諸元を持っていたライバルの客船クイーンメリーと比べると一目瞭然、ノルマンディーは全体が流麗な曲線でつながる美しい流線形を構成しています。さて、戦前の自動車生産には馬車時代の伝統が生きており、コーチビルダー(イタリアで言うカロッツェリア)と呼ばれる架装会社がボディーをデザインして制作、そしてエンジンを積んだシャシーに乗せて自動車完成、といったプロセスが残されていました。デザインの重要性を知るエドセル・フォードは、このコーチビルダーと片っ端から契約を結び、その中で見事な流線形デザインを持つブリックス社のスターケンバーグに注目、これが人気の衰えたリアエンジンであったため、自らスカウトしたヨットデザイナーだったユージン・トゥレンヌ・グレゴリーにフロントエンジンでの新たなモデリングを命じゼファーが生まれました。客船ノルマンディーとゼファー、フィールドは違えど共に時代を代表する流線形デザインを並べる広告から、フォードがリンカーンとゼファーに注いだ意気込みが感じられます
・ 雑感
現代の流線形の感覚からは、ゼファーの流線形のどこが流線形なのかわからないところもあるかもしれませんが・・・まずもって自動車の前照灯がフェンダーに埋め込まれて販売に成功したのはゼファーが最初でした。絵のみでは判りませんが、1930年代には航空機の技術が飛躍的な発展を遂げており、このゼファーのボディーの空気力学面での抵抗の少なさ(現在ならばCd値と言われるもの)は、きちんと研究・計算されたものだっといわれます (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】