● 1933年 イタリアンラインブローシャー見開き船隊イラスト レプリカ 額入りジクレーアート
≪THE ROYAL FAMILY OF THE SEVEN SEAS≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1933
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 525mm x 410mm
作品サイズ : 407mm x 272mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1933年 イタリアンラインブローシャー見開き船隊イラスト
ベニート・ムッソリーニが首相の座につき、イタリアがファシズム体制に身をゆだねるのは1922年のことでした。第一次大戦の戦勝国に連なりながら不況に喘ぐ祖国、狂信的なイデオロギーや信仰心とは無縁だったムッソリーニは、社会主義的階級闘争を一歩すすめた階級宥和ファシズム思想で政治的頭角を現します。ファシズムとはイタリア語で「束ねる」の意、全体主義をもって真の国力を発揮するという国家思想です。ムッソリーニの考えはシンプルで、これを果たすために必要なのが良い意味での強力な独裁政治でした。ヒトラーの甘言に同調したのは破滅的失敗でしたが、その経済政策は当時の国際金融資本が後押しするほど的確なもので、英国がケインズを否定して均衡財政緊縮予算を組んだ時期に、積極的な公共投資と財政支出で急速な経済成長を果たします。(後に完全雇用を実現したヒトラーの経済政策はムッソリーニに倣ったものでした) この経済政策によって、ドイツのスーパーライナーに範をとり、技術援助も得て建造されたのがNGIの客船レックスとロイドサバウドの客船コンテ・ディ・サヴォアです。1929年の恐慌で一時的後退を余儀なくされた経済成長の維持と国威発揚を、この二隻の客船の活躍に託す形になりました。イタリアンラインは、ムッソリーニの企業国営化戦略によってジェノバのNGI、トリノのロイドサバウド、トリエステのコスリッシュの3船社が合併して1932年に設立されます。二隻のスーパーライナーは建造中でしたが、他国に見劣る船社をそのまま維持するよりも、国営フラッグキャリアーに集約した方が国際競争力を発揮できると考えたものでした。
客船レックスは1932年8月に完成、公試運転で7時間にわたり28.9ノットの記録を叩き出して関係者を狂喜させる一方、9月のニューヨークへの処女航海では早々に蒸気タービンが故障、その後も絶え間なくの初期トラブルに見舞われました。しかし翌1933年、レックスは地中海出口のジブラルタルからニューヨーク・アンプローズ灯台船間を公試運転を上回る28.92ノットで駆け抜け大西洋横断最速記録を更新、イタリアに最初で最後となる大西洋横断客船最速記録・ブルーリボンをもたらしました。客船コンテ・ディ・サヴォアはレックスに遅れること3か月の11月に完成、公試運転ではレックスよりも速い29.95ノットの最高速度を記録、スペリー社製の巨大なジャイロスタビライザーを積んだ揺れない船として大きな期待を背負っての就役でしたが、ひとつ175トンものジャイロ(巨大な独楽)を船内に3つも積んでいた所為か否か、とうとうレックスの速度記録を上回ることはありませんでした。
本作イラストは、イタリアンラインが1933年に発行した会社プロファイルブローシャー、平綴じ中ページの見開きイラストです。1933年当時のイタリアンライン、7隻の大型客船隊が威風堂々と描かれています。イタリアンラインの客船は地中海を行きます。特に北大西洋航路にあっては、レックスもサヴォアも英仏海峡発着の他社船とは違い、速度競争に血眼になる必要はありませんでした。イタリアの機械は概して高性能ながら神経質、両船にもそのような気難しさはあったようですが、そもそも2隻のスーパーライナーで整ったスケジュールを守る・・・といった発想はイタリア人にはなく、緩めのスケジュールで穏やかで楽しい地中海航を提供することに終始したようです。従って、レックスのブリーリボン獲得で国威発揚の使命を果たして以降、両船は速度記録に挑戦するような航海は敢えて行わなかったというのが真相だったようです。そして、そのような世上俗事に関わりなく、地中海を行くイタリアンラインの船は上々の人気を博していました
・ 雑感
英仏海峡発着の北大西洋航路客船になかったものがイタリアンラインの客船にはありました。デッキ上のプールとサンデッキです。地中海発着の北大西洋航路客船ではジブラルタルから地中海に入ると暖かく、乗船客は一年中デッキでくつろぐことができました。一般名詞にもなる通称「リドデッキ」はヴェネツィアのリゾート地リド島にちなんで名づけられたアッパーデッキで、一時はレックスのデッキ上にビーチよろしく砂を敷き詰めたことまでありました。良くも悪くも、ムッソリーニが生み出したイタリアンラインと客船レックス、サヴォア両船に対するイタリア人の愛着と誇りは、他国のそれに劣らぬものでした。イタリアで最も愛飲されるビ―ルはペローニですが、世界的にも良く知られるのはナストロ・アズーロ(日本へはアサヒビールが輸入、ペローニ社自体も現在はアサヒ飲料傘下)という銘柄のビールです。ナストロ・アズーロは「青いリボン」の意、発売されたのは1963年のことですが、一目瞭然、客船レックスのブルーリボンにちなんで名付けられました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
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納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】