● 1930年 キュナードライン・客船ブリタニア雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪THE BRITANIA, ICE BOUND-1844≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1930
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1930年 キュナードライン・客船ブリタニア雑誌広告
キュナードの創業は英国政府委嘱の大西洋横断郵便輸送が始まる1840年、本作広告が打たれた1930年は創業90周年にあたり、これを祝してキュナードはアメリカ独立前史から英米間定期船運航までを振り返る歴史トピックの連作広告を全6回に渡って打ちました。雑誌広告がメディア広告一線に躍り出たのは1926年から1927年のこと、黎明期の果敢な試みでしたが、恐らく雑誌読者の北大西洋航路への関心は専ら国の名誉を賭けた華麗なるスピード競争、あるいは客船の性能や大きさといったところにあり、「読み物」による啓蒙は広告としてはいささかの勇み足だったようです。6連作の中で唯一、蒸気船初期の美談として有名なボストン港凍結の一件を取り上げた本作だけはキュナードの名作広告として知られます。(尤も、広告が・・・というよりはボストンの美談が有名なエピソードなのですが・・・)
当初、英政府が入札を募った蒸気船による大西洋横断郵便輸送委嘱は、蒸気船3隻使用でリバプールからカナダ・ハリファックスまでの行程でした。これを落札したキュナードは船を4隻に増やしボストン、ニューヨークまで郵便輸送を伸ばす案を逆提案、英国系カナダ人だったサミュエル・キュナードは北米事情に精通しており、英政府が米独立への意趣返しのようにカナダまでで郵便を止めていた非合理を訴え、英政府も翻意して郵便輸送をとりあえずボストンまで延伸することにします。このキュナードの考えに感謝とシンパシーを持ったのがボストニアン達で、寄港第一船となったブリタニアを迎えた時、ボストン港では祝砲が放たれ歓迎晩餐は5時間にも及び、座上したサミュエル・キュナードの元へ舞い込んだ晩餐への招待状は1800通に達したと伝わります。そして事件は4年後の1844年1月30日に起こります。寒波に見舞われたボストン港が氷結、ブリタニアの3日後の出航が絶望的になり、船員たちの脳裏には「ボストン寄港は難しかったか?」という思いがよぎりました。ところが、ボストン寄港に尽力したキュナードに物心両面の謝意を持つボストニアン達は行動を起こします。2月1日、マーティン・ブリマー市長の呼びかけに応じて1500人の市民がボストン港に集結、ブリタニア出航のために港内の氷を割り、幅200フィート、長さ10マイルに及ぶ水路を作り上げてしまったのです。この出来事はJohn C. Kingによって描かれたスケッチ(本作広告は、その原画模写のイラストです)によって新聞紙上に紹介され、キュナードとボストンにまつわる美談として広く知られて感動を呼びました。やがて移民局がニューヨークに設けられ、商業の中心がニューヨークに移ってゆくとキュナードの急行線もニューヨーク発着となりますが、1960年頃までキュナードは細々ながら中速客船でのボストン寄港を継続、QE2や現代のクイーンによるクルーズ時代になっても、ボストン寄港は折に付け継続されています
このボストンでの一件は、少々詳しい客船史の書籍には必ず紹介される有名なエピソードで、それをキュナード自身が雑誌広告の形で伝えているところに本作の妙味があります。尚、ニューヨーカー試掲載分を取り上げていますが、掲載誌によって本文レイアウトが若干違います
・ 雑感
本作はいささかの勇み足・・・と解説しましたが、こういった試みは何年か後にはきちんと活かされ、1930年代に数多く打たれた見開き広告の形で開花しています。同業他社が審美的な工夫を凝らす中、キュナードは実直かつ率直に、ある種の野暮ったさも隠さない好感の持てる広告を打ち続けることになります (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】