● 1927年 客船イル・ド・フランス処女航海復航の雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪Ile De France - The Boulevard of the Atlantic≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1927
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1927年 客船イル・ド・フランス処女航海復航の雑誌広告
1927年就役、フレンチラインの客船イル・ド・フランスの処女航海復航を知らせる雑誌広告です。今日に名を継ぐハイファンション試や総合誌が発刊され、雑誌広告が広告メディアとして一般的になるのが1920年代後半のこと、本作は初期に打たれた雑誌広告ということになります。流石、美の国フランスらしく、誌面を斜めに大胆に横切るトップデッキ俯瞰のスケッチ風イラストを配したレイアウトは目を惹かずにおられないもので、デッキ中央をズームする工夫で大型客船のスケール感を見事に表現しています。1927年7月2日にノースリバー(ハドソン川)57番埠頭を出発と案内されいますが、本文一行目の書き出しは「FROM Sandy Hook to Le Havre de Paris」となっており、ニューヨークではなくサンディフック(ニューヨーク港出口ニュージャージー側の岬部分、または同地海面をサンディフックと呼びます)と表現していることは興味を惹きます。ニューヨーク出航の案内なので当然米国向け広告ということになりますが、米国人にとってもサンディフックという言い回し、当時としては普遍的だったのかもしれません。「浮かぶアールデコ」ともいわれたイル・ド・フランスは、客船史専門家をして「ノルマンディーが史上最も豪華な客船だったとすれば、イル・ド・フランスは史上最も優雅な客船だった」と言わしめた名船で、3本ファンネルながら至極普通だった外観からは想像できない華麗なる船内は格別だったといわれます。第二次大戦中は輸送や監獄船の任にあたりますが、戦後も大西洋航路に復帰、1959年に日本で解体されました。
日本語の「豪華客船」なる言い回しは、1975年にクイーンエリザベス2の初寄港時に造語されたものと言われます。本来的には国際レーティングに則りラグジュアリークラスの客船を指すべきところ、日本では十把一絡げにクルーズ客船=豪華客船という意味不明な図式が成り立っています。とまれ、その現代豪華客船の象徴的船内空間と言えば数フロアぶち抜きの大食堂アトリウム空間、この起源となったのが1927年に就役したフレンチラインの客船イル・ド・フランスの一等食堂でした。船の食堂はこの半世紀少し前までは船尾にあり、蒸気船がスクリュー推進になると船体中央に移動しました。あの1912年のタイタニックも一等に限れば豪華客船そのものでしたが、映画で見てもおわかりのとおり、大食堂への階段シャフトこそドーム天井2フロア抜き空間ながら、一等食堂の天井高は2300mmも無かったように見えます。移民客をあてにしない「旅行」に特化したフレンチラインの斬新な営業方針により、二等はキャビンクラス、三等はツーリストクラスという概念に改められ、その上でイル・ド・フランスではキャビンクラスよりも一等が多い客室構成が採られました。そして一等食堂、前代未聞のワンシッティングの3フロアぶち抜きの大空間に世間は驚愕することになります。当時の客船のグレードはシンジゲートの寄り合いで取り決められる運賃水準に依りますが、フレンチラインの客船はキュナードやホワイトスターと同水準評価ながら、イル・ド・フランスでは簡単に言えば、各船室が一等は他社スイーツ、キャビンは他社一等並みの仕上げだったといわれ、これらが本質的な部分でイル・ド・フランスこそが豪華客船の起源だったと言われる由縁です。本作広告にも盛んに船内の豪華さが文中で述べられています
・ 雑感
日本では「Ile de France」という地理的概念を使用する機会が少ないのでピンと来ないところもあるので復習がてら・・・Ile de Franceはパリを中心としたフランス首都圏の行政区分で、直訳すれば「フランスの島」の意。この「島」の意味は歴史的な謎になっているものの一説によればノートルダム聖堂のあるセーヌ川中洲のシテ島を指していたのではないかとも言われます。現在の行政区分は1961年に改訂されたもので、面積としてはおおよそ神奈川、東京、埼玉、千葉の4都県を足したほどとなります (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】