1936年客船クイーンメリー・モービル石油 3343LL

● 1936年客船クイーンメリー・モービル石油雑誌広告レプリカ額入りジクレーアート
　≪NEW SEA QUEEN USES WORLD'S FINEST OIL≫

額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください

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1936年客船クイーンメリー・モービル石油 3343LL
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価格:	12,400円 (税込)
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送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます

作者名　：anonymous
製作年　：1936
額縁・マット　：　木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmｘ2枚ダブルマット、前面1.8ｍｍ厚UVカットアクリル（クラレ・コモグラス）
　　　　　　　　　　額縁とマット色をお選びいただけます
　　　　　　　　　　　・黒艶消し額縁Ｘブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
　　　　　　　　　　　・白ツヤ額縁Ｘネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ　：　410ｍｍ　ｘ　525ｍｍ
作品サイズ　：　272ｍｍ　ｘ　407ｍｍ　（内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm）

当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています

● 1936年客船クイーンメリー・モービル石油雑誌広告

1911年にスタンダード石油が反トラスト法によって分割されて設立されたのがモービル石油です。セブンシスターズ一角を占めた石油メジャーのひとつですが、1920年代からほぼ半世紀に渡る宣伝活動は、石油に依存した社会の象徴的ワンシーンを切り取ってニュース調の広告誌面を展開、単なる企業広告の枠を超えた、時に雑誌本文記事にも勝る時宜を得た時事的重みを持つ内容のトピックにもなっていました。無論、キャプションにはあからさまに自社PRが含まれていたので、その部分を割り引いたものとしてです。
写真は1936年5月27日サウザンプトン、客船クイーンメリーの処女航海出航の場面です。スコットランドの造船所で1930年に起工、1年後には船体の完成まで漕ぎつけながら1929年に始まる恐慌の影響を受けたキュナードの資金難から2年4か月に渡って建造中断、ホワイトスターラインとの合併を条件に英政府の融資を得て1934年に建造再開、1936年完成に至りました。概ね、大西洋を5日で横断する速度を持ち、5万トン超の船容を持つ客船をスーパーライナーと呼びます。現在までスーパーライナーと見なされる客船は11隻しかありません。史上初のスーパーライナーは、1929年就役のドイツ客船ブレーメンですが、建造と就役こそ後になったものの、スーパーライナーの構想はクイーンメリーこそが原点でした。クイーンメリーの計画を知ったフレンチラインはノルマンディーを、それらを知った北ドイツロイドは計画中の35000トンの客船を急遽5万トンにスケールアップしました。キュナードの考えは明確で、2隻のローテーションでサウザンプトンとニューヨークの毎週発着を叶えるというものでした。この実現は戦後を待つことになりますが、他船社は確かにスーパーライナー建造は果たせたものの、キュナードの考えた航路運営にまでは手が届きませんでした。大戦を経たことと航空機時代の到来で、キュナードの夢見た成果を十分に得ることは出来なかったものの、まさに客船黄金時代の頂点を極める計画でした。22年間に渡り大西洋横断最速記録＝ブルーリボンを保持したモーレタニアは、ブレーメンにブルーリボンの座を譲ると、以後次々とブルーリボンの座は新たに就役するスーパーライナーの元を転じてゆきますが、前年の1935年には客船ノルマンディーが最速記録を更新、これを破るのはクイーンメリーとの期待と声望が高まりました。
資料や評伝では「クイーンメリーは処女航海で速度記録を狙っていなかった」と言われ、キュナードも「速度競争に興味はない」旨のコメントを出しますが疑問が残ります。事実を紐解けば、航海3日目まではノルマンディーを超える速度を記録しており、4日目、残念なことに濃霧に見舞われ速度が維持できなかったからです。この広告を打ったモービル石油も相当の期待をしていたものと見えますが（恐らく、速度記録更新の原稿が準備されていたことでしょう）、広告の枠に穴は空けられません。本広告では速度記録がならなかったことをエクスキューズして、新聞のクイーンメリーの記事内容に不足があるとまで記されています。重要なこと　-　16基のタービンで200000馬力の出力を持つ　-　を見逃していると。恐らく、当時の新聞がクイーンメリーの速度更新がならなかったことを辛口で書いたことへのアンサーだったと考えられます。以下、クイーンメリーはモービルの潤滑油を使っており、モーレタニアにも、リバイアサンにも、ブレーメンにも、そしてノルマンディーにもモービルの潤滑油が使用されており、26年に渡り大西洋横断速度記録の客船がモービルの潤滑油を使っている・・・最後は、お決まりのあなたの自動車にもモービル潤滑油をどうぞ、と結んでいます。クイーンメリーは4か月後に速度記録を更新、モービルは無論その広告を打つことになりますが、ここではドラマチックな記録更新がならなかったことに対する波紋とちょっとした戸惑いのようなものが読み取れます

・雑感

まるで新聞の号外を思わせるような広告誌面、この雰囲気はモービル石油に一日の長があり、他の広告主、デザイナーには真似のできない芸当でした。この広告をデザインした人物を知る由もありませんが、時事的な雰囲気といい、どうもモービル石油にはそのような新聞関係の職歴をもつスタッフがいたように感じられてなりません (T.O.)

【Maritime Gallery Ocean-Note】

● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX

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