● 1936年 北ドイツロイド・ハパグ雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪midnight sailing≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1936
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1936年 北ドイツロイド・ハパグ雑誌広告
スーパーライナーの登場で、800フィートのチェルシー埠頭では長さが足りず、ハドソン川を少し上ったリンカーン海底トンネルの上流側袂に新たに1000フィート埠頭を備えたマンハッタン客船ターミナルが造られ、1935年に供用開始されます。これを機に、NDL・北ドイツロイドは大西洋急行線の発着をマンハッタン客船ターミナルへ移動します。それ以前、ドイツの客船は専らハドソン川のニュージャージー側、チェルシー埠頭対岸にあたるホーボーケン埠頭を使用していました。19世紀、ニュージャージーのハドソン川沿いには相当数のドイツ系移民が暮らしており、20世紀を迎える頃には、ホーボーケンの港湾施設の幾分かはNDLとHAPAG・ハンブルクアメリカラインが所有、周辺には大小多くのドイツ系移民のコミュニティが存在したと伝わります。いつ、誰が、どのような理由で始めたのかはわかりませんが、このホーボーケンの時代から、NDLとHAPAGの客船は真夜中にニューヨークを出航していました。灯火を煌々と灯し、船内楽団による賑やかな演奏を奏でながら出航する様子はニューヨーク港の風物詩だったといわれ、この真夜中の出航はNDLがマンハッタン客船ターミナルを使用するようになってかもドイツ客船の伝統として続けられていました。
専売特許の「真夜中の出航」をフューチャーした北大西洋ハパグロイド共同体の広告です。世界初のスーパーライナーを就役させたNDLの消席率はまずまずでしたが、1929年からの恐慌の影響が徐々に強くなったことに加え、1933年のヒトラー政権誕生によってドイツ系以外の米国人乗船客に敬遠されがちになると採算は悪化しました。花形の北大西洋航路の維持は、国威高揚を謀るヒトラー政権にとって死守すべきものであり、同じく恐慌で経営悪化していたHAPAGとともに北大西洋ハパグロイド共同体を国家資本で設立することとしました。共同企業体はNDLとHAPAGの両社から北大西洋航路客船を一活で傭船、但しこれは経理上の処理としてなされることで、実際の航路運航には変化がなく、共同企業体の存在自体が一般に知られることさえ少なかったといわれます。両船社は折に付け共同運航は行ってきましたが、両社連名のプロモーションは無く、1933年以降は北大西洋航路に限り両社連名の広告が盛んに打たれました。
HAPAGとNDLは、両社とも貿易商の組合によって似通った経緯で設立された隣人のような船会社同士でありながら社風は趣を異にしていました。戦前に限ったことで言えば、急進的で好戦的なNDLに対し、HAPAGには穏やかな協調路線の気風があり、対立こそありませんでしたが水と油でした。1933年に共同体が設立されて広告も連名で打たれますが、実際には両社が別々に制作した広告を連名にしたのみで、大衆の受け取り方がいかようだったか想像できませんが、当時の広告を並べてみれば、どの広告をHAPAGとNDLのどちらが制作したものか一目瞭然、簡単に言えば、NDL制作のものはキャッチコピーが鮮烈でデザインは厳格・威厳を感じさせますが(バウハウス的と評されることも多い)、HAPAGのものは美しく優し気でキャッチコピーもなく、どことなくフランス的です。ハード路線とソフト路線ということでしょうか・・・本作は、NDL制作の広告です。戦前のドイツ客船の風景を最も端的に表現した象徴的広告です
・ 雑感
1930年代のドイツ客船の著述などで、資料挿絵として使用されることも多い雑誌広告です。「midnight sailing」の表現は、その字体も含めてソフト路線を感じさせるもので、長年連れ添った夫婦の性格が似通ってくるように、NDLもHAPAGの良い影響を受けたのではなかと感じさせる節があります (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】