1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー 3359LL

● 1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー雑誌広告レプリカ額入りジクレーアート
　≪L'HEURE DU dinner≫

額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください

1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー雑誌広告 3359LL黒

193ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー雑誌広告 3359LL白

インテリア 1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー雑誌広告

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1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー 3359LL
販売期間:
価格:	12,400円 (税込)
額・マット:
購入数:	個

送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます

作者名　：Grand Duchess Maria (Grand Duchess Maria Pavlovna of Russia)
製作年　：1939
額縁・マット　：　木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmｘ2枚ダブルマット、前面1.8ｍｍ厚UVカットアクリル（クラレ・コモグラス）
　　　　　　　　　　額縁とマット色をお選びいただけます
　　　　　　　　　　　・黒艶消し額縁Ｘブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
　　　　　　　　　　　・白ツヤ額縁Ｘネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ　：　410ｍｍ　ｘ　525ｍｍ
作品サイズ　：　272ｍｍ　ｘ　407ｍｍ　（内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm）

当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています

● 1939年ロシア大公妃マリア・パヴロヴナ・客船ノルマンディー雑誌広告

ロシア大公妃（孫娘）マリア・パヴロヴナ（1890-1958）によって撮影された客船ノルマンディーの一等大食堂カラー写真が使用された1939年のフレンチライン雑誌広告です。写真下のキャプションでは「GRAND DUCHESS MARIE」となっているものの、これではロシア皇帝の孫娘マリアという意味のみになり、多くの場合マリア・ニコラエヴナ（1899-1817）を指すことが多く、間違いではないものの名前の末尾に「Pavlovna・パヴロヴナ」を付けるのが正しい表記と考えられます。
1939年当時、カラー写真自体が珍しかっただけでなく、それを印刷物として使用する技術は完全には確立されておらず、コンデナスト社によって主に雑誌VOUGE誌上で実用実験が重ねられていた段階でした。即ち、本広告自体が実は新技術を用いた目にも珍しいものだったということになります。現在の目線で見れば、本広告はフレンチラインにしては至って工夫や二ヤリとさせられるコピーが添えられることのない一瞬首を傾げたくなるものですが、カラー写真のオフセット印刷自体がこの広告の見せ場であり、その写真を撮影したのがわずか20年前に起きたロシア革命、ロマノフ王家の生き残りの女性であるというところが何とも言えない仕掛けになっています。
マリア・パヴロヴナは、ロシア・ロマノフ朝の17代皇帝アレクサンドル2世の孫娘として1899年サンクトペテルブククに生まれました。最後の皇帝ニコライ2世とはいとこ同士になります。1908年に最初の結婚をしますが1914年に離婚、第一次大戦中は看護師として働き、1917年の2月革命でニコライ2世が退位した半年後の9月に二度目の結婚、平穏な時間を僅かばかり過ごすものの、ロシアの情勢が日に日に悪化すると夫妻は欧州を転々とする逃亡生活に入ります。1918年ロシア革命、事態は最も悪い方向へ傾き、ニコライ2世を初め、拘禁されていたロマノフ朝の主要人物は全員処刑、マリア夫妻が亡命なってパリに到着したのは1919年のことです。以後、パリではココ・シャネルと懇意になりテキスタイルの販売で成功を得ますが1923年に二度目の離婚、1928年に渡米します。ロマノフ朝の生き残りとして、マリアのニューヨークへの到着は大きな話題になり、以後、回想録を認めながら百貨店のファッションアドバイザーや講演活動に勤しみますが、子供の頃から興味をもっていた写真にも取り組み、フォットジャーナリストとして、主に北大西洋航路客船内の写真を撮影して記事を書く仕事で活躍しました。本雑誌広告は、そのフォトジャーナリストとしての仕事だったということになります。
キャッチコピーは「Dinner」、コピー本文は至ってありきたりの内容で、自慢のフランス料理のことが記されています。ただ、本作下部の小さなノルマンディーのイラストやフレンチラインのロゴは、従前のフレンチラインの印刷物になかったもので、大変美しく仕上がっているように感じます。美の国フランスらしからず、この辺りの形式主義は後の時代のCI戦略の先駆けでもあったものか、ある種融通の利かない統一性がありましたが、戦前の広告では本作のみに意匠的工夫が見られます

・雑感

この年9月に第二次大戦勃発、ノルマンディーはニューヨークで係船され、やがてフランスがドイツに敗れると敵性資産として接収、そのまま兵員輸送船への改装を受ける中で火災転覆、伝説の客船ノルマンディーは失われました。本作広告は、戦前フレンチラインの最後の広告であると同時に、客船ノルマンディー最後の広告となりました (T.O.)

【Maritime Gallery Ocean-Note】

● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX

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