1939年キュナードホワイトスター 3370LL

● 1939年キュナードホワイトスター見開き雑誌広告レプリカ額入りジクレーアート
　≪Holding the course...≫

額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください

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1939年キュナードホワイトスター 3370LL
販売期間:
価格:	12,400円 (税込)
額・マット:
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送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます

作者名　：anonymous
製作年　：1939
額縁・マット　：　木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmｘ2枚ダブルマット、前面1.8ｍｍ厚UVカットアクリル（クラレ・コモグラス）
　　　　　　　　　　額縁とマット色をお選びいただけます
　　　　　　　　　　　・黒艶消し額縁Ｘブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
　　　　　　　　　　　・白ツヤ額縁Ｘネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ　：　525ｍｍ　ｘ　410ｍｍ
作品サイズ　：　407ｍｍ　ｘ　272ｍｍ　（内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは417 x 282mm）

当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています

● 1939年キュナードホワイトスター見開き雑誌広告

1933年から1939年のキュナードの広告には、船上での士官や船員たちの仕事や心得、その精神といった船と人との普遍的なありようが取り上げられており興味が尽きません。1ページ版の広告もいくつか見られましたが、連作のように打たれた見開き2ページ版の広告は見応えも充分でした。デザイナーが違うものか写植職人の違いによるものかはわかりませんが、本広告は本文・キャプションなど全体に文字が小さく紙面全体の余白部が多いために幾分地味な印象を持つものの、大洋を横断する船にとって極めて重要な内容が綴られています。キャッチコピーは「Holding the course」・・・言うまでもなく航路の維持ということで、右側本文では1840年にブリタニアで大西洋横断を開始してから99年間、キュナードは夜には北極星、昼は太陽を六分儀で覗きながらこの航路を維持しており、オーク材でできたブリタニアが鋼鉄のクイーンメリーに代わっても三代四代に渡ってキュナードの船で受け継がれる英国の船乗りの伝統が船を一層強いものにし続けている、といった内容が述べられています。しかし、本当に興味深いのはむしろ左側写真に添えられた小さな文字のキャプションで、クイーンメリーのウイングブリッジ（もしくはブリッジの上のコンパスブリッジ・・・この文章と写真からはどちらか判断できませんが、クイーンメリーの場合は通常はウイングブリッジでワッチします）で、進路をワッチ（監視）するトンプソン一等航海士と従羅針儀（ジャイロレピータ・・・ブリッジの個室に安置される主羅針盤と連動する進路確認用のコンパスである由も説明されています）をのぞき進路をチェックするロウ三等航海士・・・との説明がされています。さらに面白いのはそこに続く一文　「今シーズン、キュナードホワイトスターのExpress liner＝直行便客船は、ニューヨークから東に1087マイルの「corner」＝変針点で進路をビショップロックに向けて大圏航路に変針し、その後にシェルブールに向けて東に再度の変針を行う」と記されています。ニューヨークと英仏海峡を大圏航路で直接結ぶと、航空機であればそのまま飛行が可能ですが、船の場合はニューファンドランドが航路を邪魔します。従って船の場合にはニューファンドランドを避けて一旦真東方向に進路を取り、ニューファンドランドをやり過ごしてから変針して大圏航路を取ります。「This season」と書かれていることから、この変針点は然るべき機関によって海象に応じて（例えば氷山の多い年には変針点がもっと東になるということになるでしょう）定められていることが判ります。当然といえば当然のことながら、こうして具体的な数字を挙げて定められた航路を守り続けていることを記されれば一文は自ずから大変に説得力のあるものとなります。良いキャプションです。
右側下の写真は当時世界最大だった客船ジョージック、その上の船名リストでは、大変珍しいことながら「QUEEN MARY, World's Fastest Liner」と、前年にノルマンディーがらブルーリボン（大西洋横断最速記録客船に与えられる称号）を奪還してこの時点で（結果的に1952年に客船ユナイテッドステーツにその座を譲るまで）世界最速だったクイーンメリーを控えめながら「最速」と明記しています。船名リスト最下段ではクイーンメリー姉妹船のクイーンエリザベスは「世界最大最速の客船となるべく建造中」で1940年に就役予定であると記されています

・雑感

1939年、ドイツのポーランド侵攻で第二次世界大戦が勃発しますが、この広告が打たれたのは1939年の2月後半頃、前年の1938年9月にはミュンヘン会談で一旦は戦争回避の方向が見出されながら、ヒトラーがミュンヘン会談の合意を反故にしたのは3月15日のこと、以後、最早戦争は避けられないのではないかといったムード一色に包まれることになりますが、この広告が打たれた時点ではギリギリ、チェンバレンの対ドイツ宥和策は批判を浴びながらも、かろうじて保たれた状態でした。世界の動ぎと、広告が打たれた時期を重ね合わせると、また違った歴史観が見えてくるものです (T.O.)

【Maritime Gallery Ocean-Note】

● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX

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