● 1965年 キュナードクイーン雑誌広告レプリカ 額入りジクレーアート
≪How far a way is New York by great Cunard 'Queen'? A Long weekend≫
額縁・マットの色をプルダウンにてお選びください
送料無料。お届けはご注文後約7日です。価格にはアートプリントとマット・額縁、全て含まれます
作者名 :anonymous
製作年 :1965
額縁・マット : 木製カマボコ型=12mm、t=1.5mmx2枚ダブルマット、前面1.8mm厚UVカットアクリル(クラレ・コモグラス)
額縁とマット色をお選びいただけます
・黒艶消し額縁 X ブラウン/ライトベージュ・ダブルマット
・白ツヤ額縁 X ネイビー/ライトブルー・ダブルマット
額縁サイズ : 410mm x 525mm
作品サイズ : 272mm x 407mm (内側マット抜きサイズ、表側オーバーマット抜きは282 x 417mm)
当商品は伊勢和紙に顔料インクを用いたアートプリントを国産材料で額装したものです。奥行きを持たせる濃淡色二重のダブルマット仕様です。伊勢和紙は伊勢神宮の奉書紙として漉かれ全国の神宮大麻に使用されています。インクジェットに意欲的で、伊勢和紙アート紙は新たな表現材料として世界中のアーティストに使用されています。マーメード紙程度の表面テクスチャーによる風合いが楽しめ、無酸性紙に顔料の組合せはリトグラフやシルクスクリーンに比べ格段の保存性を持ち、数十年単位の鑑賞に耐えます。画像データに傷や劣化の補修、彩度などの可塑修正を施し、テストプリントを繰り返し微調整して仕上げています
● 1965年 キュナードクイーン雑誌広告
キュナードに限らず北大西洋航路の欧州船会社は、1924年の米国移民法改正以降は専ら欧州行き米国人旅行者獲得を主戦場に競ったため、広告宣伝の殆どは米国人向けの米雑誌へのものになりました。無論、本国向け広告はゼロではありませんでしたが、絶対量が少なかったため今日に伝わるものは僅少です。本作は1965年のキュナードクイーン英国内向け広告で大変に珍しいものです。同じ英語なので、米国版を流用して発着地と料金の記載通貨を書き換えるのみで充分のように思えますが、そう単純なものではなかったようです。欧州の大衆も同様でしょうが、我々日本に住まう者にとっても「New York」は行く先、この広告を見てまず大きく違った印象を持つのは、写真の客船クイーンエリザベスが到着しつつある場所が、こうして見ればやはり絵になるニューヨークであること、そしてキャッチコピーが「How far away is New York by Cunard Queen?」とニューヨークが目的地になっていることで、この感覚は我々からして図らずもジャストフィットな印象となります。
本文に記されていることは、特段米国向けと変わるようなところはありませんが、全体の語り口に力みのようなものが感じられず、力の抜けた自然な文言に好感を持ちます。この辺りは、キュナードクイーンのことについて肯定的であるに違いない自国向けの広告であることによるものでしょう。キャッチコピーの疑問形に対するアンサーとして書かれる本文ですが、これもまたリラックスしたもので「ちょっと長い週末ですよ」とニューヨークまで船で行くのがそれほど大仕事ではないと言いたげです。海を行く船旅には3つの良い点があり、一つは抜けるような青空と太陽、心地良い潮風を感じることができ、二つにはキュナードクイーンは巨大で街の大通りのような長いプロムナードデッキ、クイーンの発電する電力は郊外都市一つ分にも及び、その一つの街のような巨大な船が速くて揺れない、三つには船内のエンターテイメントや極上のローストビーフ、充実した設備について詳しく述べています。しかし、そのようなサービスはいわば即興的なもので、キュナードのサービスの本質は三世代にも渡る伝統に則って築かれたもので、ちょっと長めの週末を満足して過ごすことができると結んだ上で、注目すべきは、「スピード」と「充実した週末」の両方を叶える人も増えているので、その場合には、どうぞ片道はクイーンに乗り、もう片道はBOAC Cunardの飛行機にお乗りくださいと書き足しており、下に記されたポンド建ての料金は片道分のキュナードクイーンのものとなっています。
英国は「デザイン」ではフランスやドイツ、戦後の進捗著しいアメリカの後塵を拝していた野暮ったいような印象が一般的ですがさにあらず、このグラフィックを見る限り、右下に食事のトレーを運ぶスチュワードたちの写真を切り抜きで配するウイットは微笑みを誘い、上部の写真とキャッチコピーのセクションと下部のコピー本文のセクションの間の大きくとられたスペースは間のとり方は絶妙です。本広告は米国で打たれた1965年の6種類の広告と一見して共通するテーストが見られますが、ディティールを見れば全くの別物でもあり、キュナードの広告がキュナード社内で練れられるプロセスがあれこれと想像される興味深いものです
・ 雑感
BOAC Cunardは、1962年に英政府の仲介でBOACとキュナードの合弁で設立された航空会社で、BOACから見れば、当時の航空会社間の激しい競争の最中で手を尽くせない航路の運営をアウトソースすることや、セカンドブランドを持つことによってBOACの世界シェアが向上する思惑があり、キュナードにしてみれば大きな事業変革への投資という意味合いもあったかもしれません。実際には、当時のキュナードはBOAC Cunardを運営する余力に乏しかったようで、この合弁は僅か4年で潰えました。ただし、政府の一層の肩入れがあれば・・・例えばカナディアンパシフィックがCP Airを設立しながら米独禁法によって事業が継続できなかったことを思えば、キュナードは今頃、航空会社になっていたかもしれません。BOAC Cunardは成功には程遠かったようですが、同じ英国の運輸業としてBOACとの関係は良好だったようで、QE2が就役してコンコルドが登場すると、片道QE2+片道コンコルドの夢のパッケージが人気を博しました (T.O.)
【Maritime Gallery Ocean-Note】
● ジクレーアートプリント・客船 LL/Poster Ocean Liner INDEX
※ポスター画像をクリックしていただくと詳細ページへ移動します
納入事例
客船ポスター四方海話
船と港のエッセイ 1
船と港のエッセイ 2
【Maritime Gallery Ocean-Note】